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小を捨てて大につく
miu بازدید : 40 یکشنبه 10 فروردین 1393 نظرات (0)

ドストイエフスキイの小説は、人類の残した業績の最も偉大なものの一つであることは云ふまでもないが、この天才が露西亜に生れたといふことを、われわれは特に注意すべきであると思ふ。混沌たるが故に深いのではなく、深いが故に錯乱を想はせる異常にして素朴な魂の光芒を、われわれ日本人の精神の世界に見出さうとすることは殆ど不可能である。文学の地図は一民族の領土を限りなく含んでゐるけれど、所詮本質を異にする土壌に咲く花の香りには、誇るべき限界があるとしなければならぬ。  この観点に立つて、ドストイエフスキイの人と芸術とに触れることが、われわれにとつて無上の驚異であり、啓示なのである。  自国文学の特性が従来とその方法を変へようとしてゐる時、わが国の現代文学に一種の皮肉な影響を与へた「悪霊」の作者の全集が、既に定評ある米川正夫氏の名訳によつて更めて通読されたならば、人々は恐らくは新しい尺度をもつて、一人の異国作家の魅力を高く価値づけるであらう。  米川氏も亦、その期待に勇気づけられて、厖大な全集定訳の難事業を引受けられたことゝ思うが、滞りなく最後の巻の出るのを切に祈るものである。 エアロバイク通販ショップ

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